2020年以降テレワークの導入をはじめ、様々な企業でIT化が進み、「ITリテラシーの必要性」をいたるところで耳にするようになってきました。
またDXを推進していくにも、土台となるITリテラシーが不可欠です。
しかし言葉の定義が曖昧なまま、ITリテラシーが大切だ!と言い続けても先に進むことはできません。
本記事では
- ITリテラシーとはなにか
- ITリテラシーが低いことによるリスク
- ITリテラシー向上のメリットとその方法
を解説します。
特に以下のようなお悩みのある企業の人事や教育担当者、経営者の方の参考になれば幸いです。
- DXを推進していきたいがどうすればいいかわからない。
- ソフトウェアを導入しても使ってもらえない
- 社内のITリテラシーに大きく差があり、効率的に業務が進まない
ITリテラシーとは?

「社会におけるIT分野での事象や情報等を正しく理解し、関係者とコミュニケートして、業務等を効率的・効果的に利用・推進できるための知識、技能、活用力」
出典 htts://www.ipa.go.jp/files/000070624.pdf
ITLSではITリテラシーを上記のように定義しています。
セキュリティ・ネットワーク・通信などITに関連するものを理解し、扱うことができる能力ということです。
ITリテラシーとは高度で専門的なスキルではなく、ITに関連するすべての業界、さらに言えばPCを使用して業務を行うすべての人に必要な能力であると言えます。
より具体的に、ITリテラシーは3つに分類することができます。
情報基礎リテラシー
情報を扱い、取捨選択することができる能力のことを指します。
インターネットやSNSの拡大・普及により、私達は日々膨大な情報にさらされて生活しています。
その中から自分に必要な情報をすくい上げ、正しい情報かどうか出自を確認することができる、といった力はITに関係していない業界でも重要な能力です。
ネットワークリテラシー
ITは便利であると同時に情報漏えいなど、誤った運用をした場合のリスクも大きくなります。
また発信側の意図しない受け取られ方をされて炎上するケースも増えています。
個人/企業ともに簡単に発信することができるようになったからこそ、モラルやプライバシー保護、セキュリティ対策は必須になります。
コンピュータリテラシー
ITリテラシーの文脈で一番多く語られるのが、コンピュータリテラシーです。
PCやソフトウェアを使いこなすスキルや知識のことを指します。
基礎的なショートカットキーを使える、MicrosoftOfficeツールを使用できるといったことは以前から求められいましたが、コロナ以降
- Zoomなどのオンライン会議ツール
- Slackなどのチャットツール
- GoogleDriveなどのクラウドツール
上記のようなツールについても導入する企業が増加し、使いこなせるリテラシーが求められるようになってきています。
ITリテラシーが低いことによるリスク

ITリテラシーが低いことによるさまざまなリスクが存在します。
リスクを知り、周知することで「何故ITリテラシーが必要か?」ということを明確にすることができるので、必ず把握しておきましょう。
テレワーク下などでの生産性の低下
専門職でなくともPCを用いた業務を行うのであれば、最低限の知識がないと非効率な働き方をすることになりかねません。。
例えば・・
・Excel上の商品売上データを1つずつコピペする
→ 関数が使えれば効率化ができる
・PowerPointで定例報告書のグラフを毎回作成
→ Excelのグラフを埋め込めれば、自動反映ができる
・エラーが発生したらその場で作業を停止し、情報システム部へ連絡する
→ Googleでエラー文を検索すれば、解決方法がすぐに判明することもある
など、どれもそこまで難易度の高くないものですが、知識がないとできないものばかりです。
ITやソフトウェアを使用して「何ができるのか」を知っている人と知らない人では、大きな効率の差が生じます。
特にテレワーク下では、主にPCを使い業務を進めることになります。 そんな中ビデオ会議ツールが使えない、チャットやメールでの意思疎通をうまく行えないといった人がチーム内にいると、チーム全体の生産性が低下する恐れがあります。
また、ITリテラシーが低い状態でIT化を進めると、ITを使いこなせる一部の人材に仕事や質問が集中し、本来の業務が滞るなどの弊害が起きる可能性もあるのです。
セキュリティ関連のリスク増大
さらに現実的な問題として、スパムメールやウィルスへの対策についても、ITリテラシーが低いままだと十分に行うことができません。
テレワーク下、自宅や外出先でつないだWi-Fiからウィルスに感染するなど、社内全体のセキュリティリスクが高まる要因となりえます。
またクラウドツールやSNSを誤って運用し、情報漏えいにつながったケースも実際に起っています。IT・ソフトウェアを使用する際のリスクを正しく把握し、運用できることもITリテラシーの一部です。
ITリテラシー向上のメリットとその方法

ITリテラシーは広範囲にわたる知見が必要になります。そのため短期に学習し身につけるよりも、長期的視点での学習・教育プランをたてることをおすすめします。
個人や社内のITリテラシーを高めることの、さまざまなメリットの一部をご紹介します。
チーム全体の生産性の向上
PCを用いた業務をスムーズに進めることができるようになることで、テレワークでも適切にコミュニケーションを取り、成果を出すことが可能です。
セキュリティリスクの低減
セキュリティに関する知見が深まることで、ウィルス対策の重要性を理解ししっかり対策を行うようになるでしょう。
またクラウドサービスやSNSを正しく運用できるようになるため、情報漏えいのリスクも低下します。
DX推進の強化
ITやインターネットの知識が深まることで、新しいソフトウェアやツールに対する抵抗が無くなります。
導入したソフトウェアを用いて業務効率を行える従業員が増加すると、コスト削減・売上アップにもつながります。
自社のブランディングや採用面
昨今多くの企業がテレワークや働き方改革を進めているため、相対的に「テレワーク不可」の企業は採用が難しくなることが想定されます。
また出社できない距離に住んでいる優秀な人材や、副業人材の確保のためにも、柔軟な働き方ができる環境を整えておくほうが良いでしょう。
ITリテラシーを身につける方法

上記で見てきたように、ITリテラシーとはプログラミングやデジタルマーケティングなど高度な知識を指すものではありません。
PCを使って仕事をする上で必要な基礎知識なのです。個人個人が「複雑そう…」「自分には必要ない」と考えずに学ぶことが大切です。
では社内全体のリテラシーを向上させるにはどうしたら良いでしょうか?
ITリテラシーが必要な理由を周知する
まずITリテラシーが低い場合のリスクと、学ぶことによるメリットを周知していきましょう。
自社で行うことが難しい場合は、外部のセミナーなどを活用しても構いません。社内に共通意識と理解を生み出すことが大切です。
オンライン学習や研修など学習制度を用意する
社内に詳しい人がいない、少ない場合、社外の研修や学習システムを活用することをお勧めします。
しかし、そういった外部ツールは導入したら成果が出るものではありません。受講してもらえる社内体制や実際にその知識を活かせる業務の場を設ける必要があります。
またIT業界は情報の更新が早く、数年前の情報では役に立たない、といったことが多々起こる業界です。
eラーニングなどのオンライン学習サービスは、日々教材の内容がアップデートされていくので、書籍や研修よりも、最新情報を扱っている可能性が高くなります。
アウトプットができる環境を整える
どんな知識でも使用する場がなくては定着しません。
実際の業務で新しい試みやソフトウェアを触れる環境を整えることで、ITやインターネットに対する抵抗感が低減し、ITリテラシーも向上することでしょう。
ITリテラシーはすべての専門スキルの土台

昨今プログラミングスキルやデジタルマーケティング、AI構築など高度な専門スキルの習得サポートも盛んになってきています。
それらの専門知識を身につけるためにも、土台となるITリテラシーが必要です。個人としても、企業としてもITリテラシーの習得はより重要になっていきます。
MENTERはITリテラシーを向上し、通常業務の改善、DX推進に必要な知識とスキルを学べるオンライン学習サービスをご提供しています。
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