ECサイトのデータ分析の重要性とは?分析する5つの基本手順や見るべき指標も解説【2024年版】

ITリテラシー
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ECサイトを改善する際、データ分析をせずに修正をくりかえしても高い効果は期待できません。しかし、どのように分析して改善をすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、ECサイトを分析する具体的な方法やデータ分析におすすめのサービスまで解説しています。

ECサイトの運営担当者や今後、導入を検討している方はぜひ参考にして見てください。

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ECサイトをデータ分析する必要がある理由とは?

ECサイトをデータ分析する必要がある理由とは?

ECサイトのデータ分析をするのは、売上を上げるために必要だといわれています。

なぜなら、データの分析をすることで顧客の行動から商品の売れ行きまで、過去の施策の効果を測定し、得られたデータを元により良い施策の検討ができるからです。

ECサイトのデータには、マーケティングに必要な顧客心理への理解やサイトの課題点を把握するための重要なヒントが隠されています。

そのため長期的に利益を拡大するためには、データ分析を定期的に行うことが重要です。

ECサイト分析手法5つの手順

 ECサイト分析手法5つの手順

ECサイトをデータ分析することは、利益を拡大させるために重要であることを解説しました。

そこで重要性を理解しても、どのようにデータ分析を進めていけばいいのか適切な手順を知りたい方は多いのではないでしょうか。

ECサイトの分析は、上記の手順で進めていくことが重要です。

  1.  達成したい目的と抱えている課題を明確にすること
  2. データ分析の前に仮設を立てておくこと
  3.  目標数値の基準を設けておくこと
  4. 実際にデータを収集していくこと
  5. 収集したデータに基づき分析をすること

ここからは、上記の手順の詳しい内容について解説していきます。

 目標と現状の課題を明確にする

データ分析を有効なものにするためには、目的や課題を明確化することが重要です。

なぜなら、漠然と収集したデータをみていても目的達成に必要な改善案は見つけられないからです。

データの取得方法や、分析ツールの設定といった細かい項目を目的に合わせて設定することで、よりECサイトの実態把握に繋がります。

すぐに、具体的な目的や課題を掲げることが難しそうであれば、始めのうちは下記のような大まかな目標でもOKです。

  • コンバージョン率の向上
  • 流入の増加

ECサイトの改善に速やかに取り掛かりたいならできるだけ具体的に示すことがいいでしょう。

データ分析の前に仮設を立てておく

達成したい目標や改善点を明確にした後は、分析をする前に仮説を立てておくことが重要です。

その理由は、仮説に基づいて方針や戦略を立て、データ収集から分析を行わないと実行した施策の有効性が判断しにくいからです。

また、仮設は1つや2つではなくできるだけ多く洗い出しておいた方が有効となります。

そして、あげられた仮設を優先順位の高い順に整理して社内の多くの人が一目でわかるように管理することが大切です。

目標数値の基準を設けておく

想定できる仮設を立てた後は、目標指数の基準を設けておくことが重要です。

その理由は、主観ではなく客観的に施策の良し悪しがわかるようになるからです。

仮説を優先度順に並べられたら、仮説を検証するために必要なデータを把握し、数値がどう変化すれば目的を達成とするのか、誰もが見てわかる明確な基準を設けておきましょう。

実際にデータを収集する

実際にデータを収集する

これまでに紹介した3つのステップをクリアしたら、実際にデータを収集していきます。

データの収集方法によっては、正確性に欠ける可能性も否定はできません。

そのため1つの方法だけでデータを集めるのではなく、始めのうちは複数の方法で収集していくことが、より正確なデータを集めるためのポイントです。

収集したデータに基づき分析をする

収集したデータを分析するには、複数の指標やツールの結果から比較することが重要です。

なぜなら、1つのデータをみていても分析はできないためです。主に下記3つの項目は多くのデータ分析で用いられる指標なので、ぜひ把握しておきましょう。

  • 期間比較
  • 目標比較
  • セグメント別比較

期間比較とは、前月比や前年比などの定期的なタームで変化をみる方法や、日々の平均値と比べて異常値がないかチェックする方法があります。

目標比較とは、目指すべき目標値と比較したり、競合他社との実績値と比較したりする方法です。

セグメント別比較とは、ユーザーを属性ごとに分類してデータを比較する方法を指しています。

ECサイトデータ分析に重要な3つの項目

ECサイトデータ分析に重要な3つの項目

ECサイトのデータ収集する前の手順をしっかりと踏み、実際に収集した後は、分析をしていきます。

しかし、データ分析に必要な項目を抑えておかなければ、せっかく集めたデータを有効に活用できなくなってしまうのです。

主に下記3つの項目が、ECサイトのデータ分析に重要な項目といわれています。

  • アクセス解析データ
  • 顧客/注文データ
  • インタビュー/アンケートデータ

ここからは上記の項目がどのように活かせるのかを解説していきます。

アクセス解析データ

アクセス解析データではWEBサイト上のユーザーの行動を分析することができます。

WEBサイトの「どこ」に課題があるかを発見する際に使用します。

また、ABテストや前後比較を行うことで改善策による変化量を測ることも可能です。

代表的なツールとして「Googleアナリティクス」があります。

顧客/注文データ

顧客/注文データ(CRMデータ)ではユーザーの購買行動を分析することができます。

主に店舗のどこに課題があるかを発見する際に使用されるほか、メールマガジンなどのCRM活動を行う際にも使用可能です。

また実店舗だけでなく、ECサイトの顧客/注文データをECサイトの課題発見に使用する場合もあります。

インタビュー/アンケートデータ

インタビュー/アンケートデータでは、ユーザーがWEBサイト・店舗等でショッピングをしている際に感じている心理などを分析することができます。

WEBサイト・店舗で把握された課題について、その原因を発見する際に使用すると効果的です。

ECサイトで見るべき指標は?データを分析する5つのポイント

ECサイトで見るべき指標は?データを分析する5つのポイント

分析したデータを有効に活用するためには、重要な項目があることを紹介しました。

しかし、データ分析をする際には、先ほどの見出しで紹介した3つの重要項目を抑えておく以外にも、具体的な数値に落とし込むための分析指標を明確にしておく必要があります。

代表的な指標には以下の5つがあります。

  • コンバーション率(CVR)
  • 生涯顧客単価(LTV)
  • 投資収益率(ROI)
  • 純資産利益率(ROAS)
  • 離脱率

上記5つの指標以外にもありますが、主に重要とされている5つの指標について解説していきます。

コンバーション率(CVR)

コンバージョン率とは、サイトに訪問した人のうちの何パーセントが、運営者が定める目標を達成してくれたかを示すものです。

「コンバージョン率=コンバージョン数÷ユーザー数」、または「コンバージョン数÷セッション数」で求めることができます。

基本的にはユーザー数とセッション数どちらを利用して算出しても問題はありませんが、算出方法は統一しておきましょう。

コンバージョン率は、多くのECサイトで購入を目標に置いているため、購入率と言い換えられることが多いです。

コンバージョン率をあげるためには、サイトの内容を工夫して、ユーザーの「買いたい!」という購買欲をあげることが重要です。

生涯顧客単価(LTV)

1人の顧客が生涯で費やす金額を指し、生涯顧客単価とも呼ばれているのがLTVです。

LTVをあげるためには、ユーザーの購買意欲を高め客単価のアップさせるほかに「リピートしたい!」と思わせる工夫が必要となります

投資収益率(ROI)

投資額に対する利益の割合を指しているのが投資収益率です。「投資収益率=利益÷投資コスト」で算出することができます。

経費を除いた利益から算出し、広告費自体の費用対効果と損益を明確にできるため重要な指標となります。

マーケティング効果を明確化できるため、限られたリソースを投資収益率の高い施策だけに回せるので、費用を抑えてマーケティングの施策を実施したい場合には必須の計測指標です。

純資産利益率(ROAS

広告コストの回収率を指しているのが純資産利益率です。「純資産利益率=売上高÷広告費用」で算出します。

純資産利益率が高い程、広告の効果があったと判断することができるため、広告同士を比較してどのマーケティングが一番効果的だったのかを明確にできます。

離脱率

あるページでWebサイトを離脱したユーザーの割合のことを指しています。「離脱率=ページの離脱数÷ページのページビュー数×100」で求められます。

離脱率が高いページを把握することで、サイト内で改善すべきページが明確になり、CVRを高められるのです。

ECサイトの分析ツールのおすすめ12選

ECサイトを分析する手順や、抑えておくべき重要な項目・指標について理解を深めることができたら、実際に分析を進めていきましょう。

ECサイトを分析するためには、便利なツールを利用することが必要です。

それぞれのツールに特徴があるため、比較しながら自社に合っているものを選択しましょう。

ツール特徴
GoogleアナリティクスWEBサイトの運営者にとっては必要不可欠無料版でも、かなり有効に使用できる
User LocalAIを駆使した分析に長けているツールヒートマップとテキストマイニング機能が有名
Juicer(ジューサー)ユーザーを知ることを目的とした、無料のユーザー分析ツールユーザーの属性を分析し、求めていることを探れる
Ptengine直感的な操作で、さまざまな角度からECサイトを分析できるシンプルな作業で簡単に施策を開始できる
AIアナリストAIが自動でアクセス分析をしてくれるツール現状と改善点が一目でわかりやすくシンプルで使いやすい
Karteインサイト分析に長けているツールそれぞれのECサイトの目標や課題に合わせてパッケージが選べる
Nint(ニント)マクロ的な分析に力を入れたい方におすすめ運営を見据えた事業戦略立案や商品ラインナップ拡充がしやすくなる
UserInsight(ユーザーインサイト)ユーザーの行動を分析できるアクセス解析ツールECサイトのコンテンツ内容を改善したい場合におすすめ
WEBAntenna(ウェブアンテナ)インターネット上の広告で集客率の高いものを分析より効果的な広告への投資が可能
Pardot(パードット)著名な営業支援システム「Salesforce」と一体化したツール受注確度を評価し、適切なタイミングでアプローチし受注率をアップ
カスタマーリングス顧客のアクセス解析だけでなく、商品に関する分析ができる手間をかけずに分析することが可能
RankTrackerサイトの検索順位を確認できるツールGoogleアナリティクスと連携させることも可能

Googleアナリティクス

Googleアナリティクス

画像:公式HP

GoogleアナリティクスはECサイトの運営者のみならず、WEBサイトの運営者にとっては必要不可欠なツールといっても過言ではありません。

Googleが提供しているツールで、一部有料ではありますが、無料版でも有効に活用できるのが魅力です。

ECサイトのアクセスにどのような傾向があるかを分析できるツールですが、比較的簡単に利用できます。

User Local

User Local

画像:公式HP

User Localは、AIを駆使した分析に長けているツールです。一部有料ではありますが、ヒートマップとテキストマイニング機能が有名です。

ヒートマップで分析をすることで、課題になっていそうなページを抽出し、サイトの改善点を探ることでコンバージョン率をアップさせられます。

ヒートマップとテキストマイニング機能の他にもさまざまなソリューションを提供しています。

Juicer

Juicer

画像:公式HP

Juicerはユーザーを知ることを目的とした、ユーザー分析ツールです。

サイトを訪れた一人ひとりの属性や行動を把握することで、求めていることがなんなのか?を分析できます。

とてもシンプルでつかいやすく精度がとても高いツールにも関わらず、無料で利用できるのが魅力のポイントです。

ABテストやアクセスログ分析などの機能も無料で利用できます。

Ptengine

Ptengine

画像:公式HP

直感的な操作でさまざまな角度からECサイトを分析できるツールです。

たった一行のコードをサイトに追加するシンプルな作業を行うだけで、簡単に施策を開始でき、最速改善サイクルを実現しているのが魅力です。

外部の顧客データとも連携できるため、より細やかな分析ができます。

Karte

Karte

画像:公式HP

 Karteは、インサイト分析に長けているツールです。ユーザーごとに異なるアクションや反応をすべて可視化し、アクションにつながる施策を検討することが可能です。

ECサイトごとにそれぞれ異なる掲げている目標や課題に合わせてパッケージを選択できるのも便利なポイントでしょう。

KARTEのカスタマーデータを活用すれば、顧客中心の企業活動に欠かせない存在になります。

Nint(ニント)

Nint(ニント)

画像:公式HP

ECサイトにおける分析に特化したツールで、日本と中国の主要ECモール7社のビッグデータを収集しています。

独自ノウハウを構築し、市場の動向やトレンドを分析することも可能なので、全体のマクロ的な分析に力をいれられます。

各ジャンルの売上規模や成長率がすぐに確認できるのが魅力のポイントで、運営を見据えた事業戦略立案や商品ラインナップ拡充もしやすくなるでしょう。

AIanalyst

AIanalyst

画像:公式HP

AIが自動でアクセス分析をしてくれるツールがAIアナリストです。

 Googleアナリティクスなどのデータを元にデータ分析から改善ポイントの提案をし、施策の管理と成果の検証ができます。

本当に重要な指標だけに絞ってレポートを自動で作成するため、現状と改善点が一目でわかりやすいシンプルなツールで使いやすいのが特徴です。

UserInsight

UserInsight

画像:公式HP

Webサイト内におけるユーザーの行動を分析できるアクセス解析ツールです。

ユーザーがアクセスした画面でどのようにマウスを動かしたかを「ヒートマップ」で表せるため、Webサイトの改善ポイントを分析できます。

実際にユーザーがクリックをした位置や、Webサイトの熟読エリア箇所なども明確に把握することができるのが最大の特徴です。

ECサイトのコンテンツ内容を改善したい場合には、おすすめのツールです。

WEBAntenna

WEBAntenna

画像:公式HP

広告をインターネット上で配信している場合に活用できるツールです。インターネットで広告をあげていれば、集客効果の高い広告はどれかを測定します。

Googleアナリティクスの無料版では行うのが難しい分析でも、 WEBAntennaなら確認できるのが魅力です。

インターネット上で広告を出しているようなら、このツールを活用することでより効果的な広告への投資が可能となります。

Marketing Cloud Account Engagement

Marketing Cloud Account Engagement

画像:公式HP

Marketing Cloud Account Engagementは著名な営業支援システム「Salesforce」と一体化したツールです。

顧客のWebアクセス分析やメールシナリオ設定などを行い、営業効果をアッさせられます。

顧客データに点数を付け、受注確度を評価し、適切なタイミングでアプローチをすることで受注率を挙げることも可能です。

CustomerRings

CustomerRings

画像:公式HP

顧客のアクセス解析だけでなく、商品に関する分析も可能にしたのがカスタマーリングスです。

カスタマーリングスは、顧客情報やレスポンス情報の統合を行い、顧客の見える化を実現しています。

業界問わず誰でも使用できるのが魅力のポイントで、手間をかけずに分析することが可能です。

RankTracker

RankTracker

画像:公式HP

サイトの検索順位を確認できるツールです。Yahoo!やbringなど世界中の検索エンジンに対応しているのも特徴です。

おすすめツール1選目で紹介しGoogleアナリティクスと連携させることもでき競合サイトとの検索順位比較もできます。

SEOを対策し、サイトに流入数を増やすことを目的としている方におすすめです。

ECサイト分析についてのまとめ

ネット販売は、サイトを立ち上げることが目的ではなく、そこから売上を伸ばしていくことが重要になります。

そのためにECサイトのデータ分析は、売上を伸ばし利益拡大させるために重要なポイントとなるのです。

またデータ分析をするにしても、正しい手順で行わなければ、逆効果になる場合もあります。

売上を伸ばすためにデータ分析をするなら、今回の記事を参考に適切な手順で行いましょう。

また「MENTER」では、5〜10分程度のコンテンツ視聴で、ECサイトのデータ分析に役立つ知識を身につけられます。

難しい内容ではなく、マンガのような動画がベースとなっていて、飽きない工夫がされているのも魅力のポイントです。

今後、ECサイトを本格的に社内で導入を検討している担当者の方は、社員からの理解を得やすくなるため、ぜひチェックして見てください。

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